皆さんこんにちは。Rakuです。
・データと情報って、同じ意味じゃないの?
・ビジョンとミッション、いつも区別がつかなくなる
・計画を立てても、どうせ変わるから意味がない気がする
そのような考えを持つ方多いと思います。
この記事では、経営における意思決定と計画を、ひとつながりの流れとして解説します。
情報とは何か、問題の型が決定の型をどう決めるのか、そして「決定を先へ延ばした形」である計画をどう立てるのか。混同されやすい用語も、ここで全部整理します。
ぜひ最後まで読んでみてください!
データと情報は違う
- データ:生のままの事実と観察
- 情報:意思決定にとって有用で意味のあるものにされたデータ
区別は量ではなく機能です。データは「何かを決めるのに使える」状態になって、はじめて情報になります。
だから経営学は、情報を技術の話ではなく意思決定の話として扱います。どれだけ大量にログを集めても、それで何も決まらないならデータのまま。ダッシュボードを作ったのに誰も見ない、という現象の正体がこれです。
管理職は情報の交差点に立っている
管理の4つの機能は、すべて決定を要求します。
- 計画——目標についての決定
- 組織化——資源の配分についての決定
- 指揮——個人をどう動機づけるかについての決定
- 統制——成果をどう測るかについての決定
そして決定には情報が要る。だから管理職は情報が集まる場所に立っていることになります。集める・社内に流す・社外へ出す——この3つが管理職の情報の役割でした。
問題の型が、決定の型を決める
- 構造化された問題:馴染みがあり、単純明快で、必要な情報がはっきりしている
→ 定型的な決定:過去の経験からすぐ使える解を当てはめる - 非構造化の問題:曖昧さと情報の不足に満ちている
→ 非定型的な決定:その場の要求に合わせた個別の解を作る
そして非定型的な決定は、上位の階層ほど多く直面します。
これは、前の記事で見た「上の階層ほど概念化スキルが要る」の答え合わせになっています。上ほど非構造的な問題に当たるから、全体を捉えて複雑な問題を分解する力が必要になるわけです。
例:コンビニの発注は、多くが定型的な決定です。天候・曜日・過去の販売データから、決まった手順で発注量が出ます。
一方「この店舗を閉じるべきか」は非定型的。何が原因か曖昧で、判断に必要な情報も揃わない。だから店長ではなく本部が決めます。
同じ会社の中でも、階層によって扱う問題の型が違うんですね。
思考のスタイルについても、経営学ははっきりした立場を取ります。
効果的な思考は、直観的思考と体系的思考の両方を用いる。
「どちらを選ぶか」ではありません。マネジメントが「科学であり技でもある」と言われたのと、まったく同じ構造です。
意思決定のプロセスと、倫理の置き場所
意思決定とは「行動の方針を選ぶこと」。標準的なプロセスは5段階で描かれます。
- 問題を特定し、定義する
- 代替案を出し、評価する
- 望ましい行動方針を選ぶ
- 決定を実行する
- 結果を評価する
ここで強調したいのが倫理の置き場所です。経営学では、倫理チェックは決めたあとの最終確認ではなく、すべての段階に適用されるものとして描かれます。
理由は考えてみれば当然で、どの選択肢を「そもそも検討対象に入れるか」の時点で、すでに倫理は働いているからです。最後にチェックする方式だと、検討の土俵に上がらなかった選択肢は永遠に見えません。
なぜ計画するのか
戦いの準備において、計画は役に立たないと常に感じてきた。だが計画することは不可欠である。
——ドワイト・D・アイゼンハワー
矛盾しているように見えますが、この言葉は「計画書」と「計画すること」を分けています。
文書は、条件が変われば即座に古びます。でも計画するという行為が、変化に応えるための理解をつくる。「どこが前提で、どこが変わりうるのか」を一度考え抜いた人は、想定外が起きたときの立て直しが速いですよね。
だから計画を「固定した指示書」として扱うと、いちばん大事な部分を取りこぼします。
管理職が計画する理由は4つあります。
- 方向を与える——目標を示す
- 不確実性を減らす——変化を予見し、対応を用意する
- 無駄と重複を最小化する——手段と目的が明確になる
- 統制のための基準を設定する——「我々はどうだったか?」を問えるようにする
4つ目が大事です。測る基準がなければ、成果は測れません。だから計画と統制は必ずセットになります。目標が曖昧な仕事は、振り返りもできない——経験のある方は多いのではないでしょうか。
計画の3階層
ビジョンとミッションの違い
混同されやすい2つですが、区別は明快です。
- ビジョン:組織が何になりたいか、どこにいたいか。将来を向く
- ミッション:組織が存在する根本的な理由。いまを見る
ミッションは、次の3つの問いに答えるものとされます。
- 誰に奉仕するのか
- どんなニーズを満たすのか
- それをどう満たすのか
そしてもうひとつ大事な点。ビジョンは、会議室で思いついた願望ではありません。外部環境と内部環境の慎重な分析から導かれるものとされています。ここで前の記事のPESTEL分析が効いてくるわけですね。
方針と手順の違い
業務計画は3種類に分かれます。
- 方針:判断の指針を伝える、常設の計画
- 手順:特定の状況で取るべき行動を記述した規則
- 予算:プロジェクトや活動に資源を割り当てる計画
方針と手順は、こう見分けます。
「顧客の苦情には公正に対応する」→ 方針(判断を導く)
「苦情を記録し、24時間以内に受領を通知し、5日で未解決ならエスカレーションする」→ 手順(行動を規定する)
方針だけあって手順がない組織は、現場が毎回悩みます。手順だけあって方針がない組織は、想定外の事態で固まります。両方あって初めて回る、ということですね。
SMARTな目標の立て方
目標設定でよく使われるのがSMARTです。
- S:具体的であること
- M:測定できること
- A:達成できること
- R:成果として定義されていること
- T:期限があること
使い方のコツは、与えられた目標を各文字で検証してみることです。
たとえば「顧客満足度を上げる」は、Sも M も T も欠けています。「今年度中に、顧客アンケートの総合満足度を4.0から4.3へ引き上げる」なら、5つとも揃いますよね。R(成果志向)を落としやすいので要注意です。「アンケートを毎月実施する」は活動であって成果ではありません。
未来を扱う4つの道具
計画づくりの道具が4つあります。それぞれ「未来への構え方」が違うと理解すると、一気に覚えやすくなります。
予測は未来を当てにいきます。専門家の意見を使う定性的な予測と、統計分析を使う定量的な予測があります。
代替案の計画は、うまくいかなかったときの代わりの行動方針をあらかじめ決めておくものです。
シナリオ計画はその長期版で、複数の将来像を立ててそれぞれに計画を作ります。当てることを諦めているのが特徴で、そのぶん柔軟性と衝撃への備えが高まります。
ベンチマーキングだけは性質が違います。見るのは未来ではなく他者の現在。優れた成果につながっている行い方を、外部と内部の比較から学びます。
よくある間違い
- データと情報を同じ意味で使う——情報は「決めるのに使える」状態になったデータです
- 直観か体系かを選ぼうとする——効果的な思考は両方を使います
- 倫理を最後のチェックだと思う——すべての段階に適用されます
- アイゼンハワーの言葉を「計画は無意味」と読む——逆です。計画書は古びても、計画する行為は不可欠
- シナリオ計画と代替案の計画を同じだと思う——シナリオ計画は長期版で、複数の未来それぞれに計画を作ります
- 非定型的な決定を珍しいものだと思う——上位の管理層は、むしろこちらに多く直面します
まとめ
- 情報は、決めるのに使えるようになったデータ。量ではなく機能の違い
- 問題が構造化されているかで、決定の型が決まる。上の階層ほど非定型
- 倫理は最終確認ではなく全段階に効く
- 計画書は古びるが、計画する行為が変化への対応力をつくる
- ビジョンは将来、ミッションは存在理由。方針は判断、手順は行動
- 未来の道具は当てにいく・外れに備える・諦めて複数用意する・他者を見るの4種
「計画しても無駄」と感じていた方は、ぜひアイゼンハワーの区別を持ち帰ってみてください。捨てるべきは計画書への執着であって、計画する行為ではない——これだけで、計画との付き合い方がずいぶん変わります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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