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パートナーシップとは|成立の3要件と無限責任をわかりやすく解説

皆さんこんにちは。Rakuです。

・友人と一緒に商売を始めたら、それだけでパートナーシップになるの?
・相方が作った借金、自分も払わないといけない?
・会社を作るのと、何が違うの?

そのような考えを持つ方多いと思います。

この記事では、パートナーシップを解説します。

※ この記事が扱うのはマレーシアの法律です。条文は Partnership Act 1961(1961年パートナーシップ法)を指します。日本の組合や合名会社とは制度が異なります。

先に結論から言うと、パートナーシップは「契約書を交わす」ことで成立するのではありません。実態が揃えば、自動的に成立します。そして責任は無限。ここを知らずに始めると、かなり危ないことになります。

ぜひ最後まで読んでみてください!

事業体の3つの型

個人事業パートナーシップ会社
法人格なしなしあり
責任無限無限・連帯原則として有限
存続本人限り構成員の変動で影響を受ける構成員が替わっても存続
設立の手間軽い軽い重い
パートナーシップは「手軽だが、責任が重い」という位置づけ

パートナーシップには法人格がありません。これが会社との決定的な違いで、あとの帰結がすべてここから出てきます。

なお、事業として行う以上は事業登録が必要になりますが、登録したから成立するわけではない点に注意してください。登録は成立の要件ではありません。

パートナーシップの3要件

法律は、パートナーシップを「利益を目的として共同で事業を営む者どうしの関係」と定義しています。要件は3つです。

3つが揃えば、契約書がなくても成立する ① 事業を営む② 共同で③ 利益を目的に 一回きりの取引ではなく継続的な活動「営む」が継続性を示す 互いのために、また互いを代理して行うここに代理関係がある 非営利団体は入らない利益が出なくてもよい「目的」があればよい 意図は関係ありません。 「パートナーシップのつもりはなかった」と言っても、3要件が揃えば成立します。

②の「共同で」がとくに重要です。これは互いのために、そして互いを代理して事業を営むという意味を含みます。パートナーシップの中核には代理関係があるわけですね。

③については、実際に利益が出ている必要はありません。「目的」があればよい。赤字続きでもパートナーシップです。

冒頭の疑問への答えです。
友人と継続的に、共同で、利益を目的に商売をしていれば——契約書を交わしていなくても、パートナーシップは成立しています。
そして次に見るとおり、責任は無限で連帯です。これを知らずに始める人が、実はかなり多い。

迷ったときの判断材料

法律は、判断に迷う場合のルールも置いています。

  • 共有しているだけでは、パートナーシップにならない——共同で不動産を所有しているだけでは足りない
  • 売上の分配だけでは、パートナーシップにならない
  • 利益の分配は、有力な証拠になる——ただし決定的ではない

3つ目が肝です。利益を分けていれば「たぶんパートナーシップだ」と推認されるが、反証は可能。従業員へのボーナス、債権者への返済、といった説明がつけば覆せます。

外部との関係:パートナーは互いの代理人

ここがパートナーシップのいちばん怖いところです。

各パートナーは、事業の通常の範囲内の行為について、他のパートナー全員を拘束します。つまり相方が結んだ契約に、あなたも縛られます。

ただし例外があります。次の場合は拘束されません。

  • そのパートナーに権限がないことを、相手が知っていたとき
  • 相手がその人をパートナーだと知らず、またそう信じてもいなかったとき

代理のところで出てきた表見的な権限の考え方が、ここでも働いているわけですね。

「パートナーだと表示された人」の責任

実際にはパートナーでなくても、自分がパートナーであるかのように表示した、またはそう表示されるのを知りながら許した人は、それを信じて信用を与えた相手に対して責任を負います。

名義貸しの危険がここにあります。「名前を貸しただけ」では済みません。

責任の範囲

  • 契約上の債務:各パートナーが連帯して責任を負う。債権者は誰に対しても全額を請求できる
  • 不法行為:事業の通常の過程で、または他のパートナーの権限内で生じた損害について、連帯して責任を負う
  • 刑事責任:原則として行為者本人が負う。ただし法律が特に定める場合は別

無限責任なので、事業の財産で足りなければ個人の財産にまで及びます。家も預金も対象になるということです。

いつからいつまで責任を負うか

  • 新しく加入したパートナーは、加入前の債務については責任を負いません
  • 脱退したパートナーは、在任中に生じた債務について責任を負い続けます
  • さらに、脱退を取引先に知らせていないと、脱退後の債務についても責任を負いうる

3つ目が実務的にいちばん重要です。
辞めたつもりでも、取引先が知らなければ、外からは「まだパートナー」に見えます。
だから脱退時には既存の取引先への個別通知と公示が必要になります。ここでも「外から見てどう見えるか」の原則が効いています。

パートナー同士の関係

内部のルールは、まずパートナーシップ契約で決まります。決めていない部分について、法律が初期設定を用意しています。

契約で決めていない場合の主な初期設定は——

  • 損益は均等に分ける——出資額が違っても、決めていなければ均等
  • 業務執行に参加する権利がある
  • 報酬は出ない——業務に従事しても、別途の給与はもらえない
  • 通常の事項は多数決、事業の性質の変更は全員一致
  • 新しいパートナーの加入には全員の同意が必要
  • 多数決で他のパートナーを除名することはできない(契約に定めがある場合を除く)

1つ目がトラブルの温床です。9割出資した人も、決めていなければ利益は半分。契約書を作る最大の理由がここにあります。

忠実義務

パートナーは互いに信頼関係にあるので、重い義務を負います。

  • 真実の情報を開示する
  • 秘密の利益を得ない——事業から得た利益を独り占めしない
  • 競業しない——同種の事業を無断で営まない。営んだ場合、その利益を引き渡す

代理人の義務とほとんど同じ内容ですね。パートナーは互いの代理人なので、当然といえば当然です。

財産と解散

パートナーシップの財産は、事業のために取得されたもので、事業の目的のためにのみ使わなければなりません。個人の財産と混ぜないことが大事です。

解散の原因には、期間の満了、事業目的の完了、パートナーの脱退の通知、死亡、破産、事業が違法になったこと、裁判所の命令などがあります。

ここでも法人格がないことが効いてきます。構成員が替わると、原則として従来のパートナーシップは終了する——会社のように「人が替わっても同じ法人」とはいきません。

まとめ

  • パートナーシップは3要件が揃えば自動的に成立。契約書も登録も成立の要件ではない
  • 法人格がないので、責任は無限・連帯。個人財産にも及ぶ
  • 各パートナーは互いの代理人。相方の契約に縛られる
  • 脱退は通知しないと責任が続く。外から見た外観が基準
  • 契約で決めていなければ損益は均等。出資比率は関係ない

「とりあえず友達と始めてみる」の法的な重みが、思ったより大きいことが伝わったでしょうか。始めるのは簡単で、抜けるのが難しい——それがパートナーシップの構造です。だからこそ、最初に取り決めを書面にしておく価値があります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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